ビットコインのデリバティブが大阪取引所に?金融の世界に『変化の兆し』
ビットコインって、なんだかんだでもう15年以上の歴史があるんですよね。
はじめは「怪しい」「投資というよりギャンブル?」なんて思われていた暗号資産も、
いまでは世界中の投資家や企業、そして各国の政府までが注目する存在に。
そんななか、日本の金融のど真ん中、「大阪取引所」がビットコインの『デリバティブ取引』を検討しているというニュースが!
今回は、暗号資産をめぐる新しい動きについて、初心者の方にもわかりやすく、やさしく解説していきますね。
なぜ今、大阪取引所が動くのか?
まず、大阪取引所って何をしている場所かというと、
主に「デリバティブ取引」、つまり先物やオプションといった金融商品の売買を扱っている場所です。
デリバティブとは簡単に言えば、
「未来の価格」を売買する仕組みのこと。
たとえば「1か月後のビットコインの価格がどうなるか」を予想して、
将来の価格で売買する約束をするようなイメージですね。
現物のビットコインを直接売買するのではなく、
その「値動き」を取引対象とするのが、デリバティブの特徴です。
じゃあ、なぜいきなりビットコインのデリバティブを?
それにはいくつか理由があります。

現物のビットコインには法整備や、大量の資金を安全に運用するための環境整備といった課題が残っており、 大手の金融機関や年金などの資金が入りづらかったんですね。
デリバティブは、現物を直接保有せずとも、その価格変動リスクをヘッジしたり、投機的に利益を狙ったりできるため、 既存の金融システムに組み込みやすい側面があります。
金融庁もこの動きについては引き続き慎重に「注視」していると発表しています。
これは、新たな市場の可能性を探ると同時に、投資家保護やマネーロンダリング対策など、 既存の金融規制の枠組みでどう対応すべきか、深く検討すべき段階に来ているという認識の表れです。
信頼性向上の期待と、新たなチャンス
これまで暗号資産って、「儲かるかもしれないけどちょっと怖い」存在でした。
でも、大阪取引所のような金融庁の監督下にある、信頼性の高い取引所で扱われるようになると、 それだけで信頼感はグッと上がります。
・価格が不自然に操作されるリスクが減る
・取引ルールが明確で、公平に約定される
・もし何かトラブルがあっても、監督官庁の目がある
そんな「安心感」が投資家にとってはとても大きな意味を持つんです。
さらに、これまでリスクを理由に暗号資産に手を出せなかった
年金基金や保険会社などの「機関投資家」も、
こうした取引所でのデリバティブ提供開始によって市場に入ってくる可能性が出てきます。
市場にお金が集まれば、流動性(いつでも売買できる力)もアップしますし、
それは結果的に、私たち個人投資家にとっても取引しやすい環境につながっていくんです。
もちろん課題もあります
とはいえ、もちろん明るい話ばかりではありません。
デリバティブ取引は、仕組みが少し複雑ですし、
ハイリスク・ハイリターンの世界でもあります。
ビットコイン自体が価格変動の大きい資産なので、 しっかりと仕組みを理解しないまま飛び込むと、 大きな損失を出すこともありえます。
また、どれだけ制度が整っても、 「絶対に安全な投資」というのは存在しません。
あくまで「自己責任」で、
でも「正しい知識」を持って向き合うことが大切です。

ちなみに現在、金融庁は暗号資産に関するさらなる規制の整備を進めており、
投資家保護や市場の健全性向上に向けた取り組みが続いています。
課税についても議論はありますが、具体的な変更は今後の政府・与党での検討に委ねられることになります。
世界では先行している暗号資産デリバティブ市場
海外ではすでに主要な金融取引所でビットコインなどの暗号資産デリバティブ(先物など)が活発に取引されています。
たとえば、米国の大手先物取引所であるCMEグループでは、ビットコインやイーサリアムの先物が 提供されており 、多くの機関投資家が利用しています。
日本国内でも、すでに多くの暗号資産交換業者がビットコインFXやCFDといった形で、このデリバティブ取引を提供しています。
しかし、今回大阪取引所が検討しているのは、それらの『店頭取引』とは異なる、より標準化され、信頼性の高い『取引所取引』なのです。
日本の大阪取引所の検討は、こうした世界的な潮流に日本も本格的に加わろうとする動きと捉えることができます。
未来の金融は、もう始まっている
かつて金属だったお金が紙幣になり、デジタルマネーへと進化してきたように、
今や暗号資産は「次のお金」の形として、本格的に社会に入り込みつつあります。
今回の大阪取引所の動きは、その流れをさらに後押しするものになるかもしれません。
もしかしたら、数年後には「ビットコインの先物に投資する」ことが、 株やFXと並んで当たり前の選択肢になっているかもしれませんね。
変化のスピードが速い時代だからこそ、 その波においていかれないように、 これからも「新しいお金」の動きには注目していきましょう。