メール・電話・SNS…詐欺の手口から自分を守る!第3回:SNS編(投資・なりすまし詐欺)

その1|SNS型詐欺の現実と仕組み編
SNSに『うまい話』が!信頼を装う巧妙な罠

あなたは、SNSで「投資で簡単に稼げる!」「1日5分で副収入」といった投稿を見かけたことはありませんか?
そして、いかにも親切そうな人から届くDM(ダイレクトメッセージ)やコメント。
実はその多くが、巧妙に仕組まれた詐欺の入り口です。

警察庁の最新発表(2025年10月2日)によると、
SNSを利用した投資・ロマンス詐欺の被害額は、今年1〜8月だけで約930億円に達しています。
そのうち「投資詐欺」だけで約606億円
SNSは『つながる場』であると同時に、『狙われる場』にもなっているのです。

SNS型詐欺が社会問題になったのはここ数年

SNSを使った投資・なりすまし詐欺が、「SNS型詐欺」として警察庁の統計に正式に登場したのは2023年頃です。
つまり、社会問題として本格的に注目されるようになったのは、ごく最近のことです。

代表的なSNS型詐欺の拡大経緯

  • SNS型投資詐欺:2022年後半〜2023年初頭に急増し、LINEやInstagramなどのSNS広告を通じて一気に広がりました。
  • 著名人なりすまし詐欺:2023年後半から深刻化。FacebookやInstagramで、実業家や投資家の顔・声・動画を無断使用した広告が大量に出現しました。
  • SNS型ロマンス詐欺:2020年頃から本格化。恋愛感情を利用して暗号資産や投資に誘導するケースが増えています。

SNSが生活の一部になった今、詐欺師たちは人の「信用」や「つながり」を利用して近づいてきます。
しかも最近では、AI技術を使って本物そっくりの画像や動画を作り出すため、その場で見抜くことが極めて難しくなっています

たとえば、2024年には実業家・前澤友作さんをかたる偽広告によって、被害総額が約20億円にのぼったと報じられています。
ディープフェイク技術を悪用して、本人そっくりの顔や声、動画まで使われていたため、多くの人が信じてしまったのです。

ポイント
SNS詐欺はここ数年で一気に拡大。
これまでの「振り込め詐欺」とは比べものにならないスピードで、私たちの身近な世界に入り込んでいます。

SNS投資詐欺の手口と最新トレンド

SNS投資詐欺」とは、SNS上で『簡単に儲かる』と宣伝してお金をだまし取る詐欺のこと。

一見、本物の投資グループや企業を装っていますが、その裏はよくできたシナリオになっています。

基本的な流れの例
  1. SNS広告や投稿で興味を引く
  2. DMなどで「LINEグループに招待」
  3. 少額を投資して『成功体験』を見せる
  4. 「もっと儲かる」と誘って高額を入金させる
    ※ここで偽の投資アプリを悪用し、利益が出ているように見せかける
  5. 出金しようとすると、「税金が必要」などとさらなる追加の金銭の要求といったことあり、結果出金はされず、連絡が途絶える

最初は「5万円で始められます」など、手軽な誘いからスタート。
グループ内では『他の参加者』が利益を出しているように見せかける演出もあります。実際は全員が詐欺グループの仲間、というケースも少なくありません。

最新の手口と変化

警察庁の発表によると、
YouTube広告を経由した投資詐欺が7月から8月にかけて前月比+79.2%も急増

SNSを入り口にして、LINEやTelegram(秘匿性の高い海外チャットアプリ)へ誘導するケースが増えています。
一度そこに入ると、閉鎖的なグループ内で「信じさせる」空気を作り出し、
少しずつ心理的に追い込んでいくのです。
※他にも、本人の意思に関係なく、気づかないうちに、LINEやTelegramのグループに追加されている、といったこともあります。
さらに最近では、暗号資産(仮想通貨)での送金を求める詐欺も増加。「手数料が安い」「すぐに出金できる」と言われても、それは被害金が辿られにくい(マネーロンダリング目的)口実であることが多いのです。

覚えておきたいこと
SNSで「投資」や「儲け話」が出たら、それだけで赤信号。
「みんなやってる」「有名人が紹介してる」という誘い文句ほど危険です。

なりすまし詐欺の見抜き方とAIの脅威

SNSでは、本人そっくりの偽アカウントが日々増えています。
投稿内容まで本物そっくりで、見分けがつきづらいことも。

見抜くポイント
  • IDや名前が微妙に違う(例:@elonmusk → @eIonmnsk)
  • 投稿数が少なく、コメントが定型文ばかり
  • 「認証マーク(公式マーク)」をつけていても、簡単に偽装されるため偽物の場合がある

さらに最近はAIを使って、顔・声・動きを完全再現した偽動画(ディープフェイク)も登場。
「本人が話している動画だから安心」と思っても、それがAIで作られた映像かもしれません。

実際、AIで声や顔を再現し、友人や家族を装って「お金を貸して」と言う偽動画メッセージまで確認されています。
人の「信頼」を利用する手口が、どんどん高度化しているのです。

見抜くコツ
・プロフィールや投稿をよく見る
・不自然なDMには返信しない
・必ず公式サイトや本人の認証アカウントから確認する



次回、その2|SNS詐欺の心理と対策編へつづく

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