「ニュースがないのになぜ動く?」相場の裏側にある理由
株や為替は誰が動かしているの?【後編】
相場を見ていると、
「今日は特に大きなニュースが無いのに、なんで動いてるの?」
「理由を探しても、よく分からない…」
ニュースを見ても理由が見当たらないのに、
株価や為替が大きく動いている。
そんな場面、見たことはありませんか?
実はこれ、めずらしいことではありません。
相場は、ニュースだけで動いているわけではないからです。
前編では、
相場は「人の判断の積み重ね」で動いている
という話をしました。
投機筋や機関投資家、AIの売買、そして人の心理など、
さまざまな要素が重なって価格が動いている、という内容です。
▶ 前編はこちら 株や為替は誰が動かしているの?
そして今回は、その続きとして、
ニュースがなくても相場が動く理由
を、できるだけ分かりやすく見ていきましょう。
相場には「ニュース待ちじゃない人たち」がいる
前編でお話ししたように、相場には
- 大きなお金を動かすプロ
- 短期売買を行う投機的な資金
- AIや自動売買の仕組み
が参加しています。
こうした人たちは、ニュースが出てから動くというよりも、
「どうなりそうか」を予想して先に動く
ことが多いのです。
ニュースは「結果の報道」ですが、
相場は「予想の段階」から動き始めます。
そのため、ニュースが無いように見えても、
水面下ではすでに売買が進んでいる、ということがよくあります。
チャートを見て判断する人たちの動き
ニュースではなく、
値動きそのものを見て判断する人たちもいます。
これを「テクニカル分析」と呼びます。
難しそうに聞こえますが、意味はシンプルです。
過去の値動きを見て、
「このあたりは買われやすい」
「ここまで来たら売られやすい」
と判断する方法です。

相場には、
・何度も止まりやすい価格
・多くの人が意識しているライン
があります。
そこに近づくと、
売りたい人と買いたい人が
同じタイミングで動きやすくなります。
さらに今は、人間だけではありません。
大きなファンドなどは、
特定の価格や動きに反応するように設定されたプログラム(アルゴリズム)
を使っています。
これは、
「この価格を超えたら買う」
「この水準を割ったら売る」
という判断を、
人間よりはるかに速いスピードで行います。
そのため、ニュースがなくても、
あるポイントに到達しただけで
一気に相場が動く、ということが起きるのです。
利益確定や損切りという「お金の区切り」
相場が動く理由は、
必ずしも新しい材料が出たからとは限りません。
・利益が出たから売る
・これ以上損をしたくないから売る
これを
・利益確定(利確)
・損切り
と呼びます。
また、大きなお金を動かしている組織は、
「株が増えすぎたから少し減らす」
「債券との割合を調整する」
といった、
決まった時期に資産のバランスを整える売買
を行うことがあります。
これは景気やニュースとは関係なく、
機械的に行われることも多い売買です。
特に、
・月末
・四半期末
・年度の区切り
には、こうした動きが増えやすくなります。
ニュースが無くても相場が動く理由の一つです。
相場は「期待」と「不安」で先に動く
相場は、起きた出来事だけで動くわけではありません。
「こうなるかもしれない」
「もしこうなったら困る」
そんな期待や不安も、価格に反映されます。
たとえば、
雇用統計や中央銀行の発表など、重要なイベントの前には、
結果が出る前から
売買が増えることがあります。
そして、
いざ発表される頃には、
すでに動き終わっている
ということも珍しくありません。

相場の世界には、
「期待で買われて、事実で売られる」
という有名な言葉があります。
良いニュースが出たのに下がることがあるのは、
このためです。
後から出てくる「理由っぽいニュース」の正体
相場が動いたあと、
「○○が原因で上昇」
「△△懸念で下落」
という解説を目にすることがあります。
もちろん、それが理由の一つであることもあります。
でも実際には、
・すでに動き始めていた
・理由は一つではなかった
・複数の要因が重なっていた
ということも多いのです。
ニュースは、
複雑な相場の動きを分かりやすく説明するための言葉
として後から整理されることがあります。
だから、
「ニュースを見ても、しっくりこない」
と感じる日があるのは、決しておかしなことではありません。
まとめ:相場は「理由が見えない動き」もする
相場は、
- 予想
- チャート
- 資金の調整
- 期待や不安
- アルゴリズムの売買
こうしたものが重なって動いています。
そのため、「ニュースが無いのに動く」
「理由が分からないように見える」という場面が生まれます。
前編と後編を通してお伝えしたかったのは、
相場は
「怖くて正体不明なもの」ではない
ということです。
完全に予測することはできません。
でも、仕組みを知ることで、
相場は
「わからないもの」から
「少し理解できるもの」へ変わっていきます。
ニュースを見る目も、
きっと前より落ち着いたものになるはずです。
そしてもし、「理由が分からない動きだな」と思う日があったら、
無理に答えを探しすぎなくても大丈夫です。
ニュースの見方が少し変わるだけでも、相場は前よりずっと身近に感じられるようになります。

