先物取引のルーツは「お米」だった!?

先物取引の始まりと広がり|第1回

江戸時代の米相場と堂島米会所

みなさんは「先物取引」って聞くと、何を思い浮かべますか?
金?原油?ビットコイン?それともリスクの高い投資?

でも実は、そんな先物取引のルーツは――
なんと「お米」だったんです🍚

今回は、日本が世界に誇る『先物取引のはじまり』について、江戸時代にタイムスリップして見ていきましょう!

🌾お米が「お金」だった時代

江戸時代の日本では、武士の給料も農民の納税も、すべて「お米」でやり取りされていました。
たとえば、〇〇藩の家臣がもらう給料は「○○石(こく)」と表されていて、これはお米の量を意味してたんです。

つまり、お米がそのまま「通貨」のような役割を果たしていた時代。
だからこそ、お米の価格は、経済全体を動かすカギだったんです。

🏛大阪の堂島米会所(今で言うと「米の取引所」)

お米の価格を決める場所として登場したのが、大阪の堂島米会所(どうじまこめかいしょ)
今で言えば「米の取引所」や「先物取引所」のような存在で、『世界初の先物取引市場』とも言われています。

当時の大阪は「天下の台所」と呼ばれ、日本全国からお米が集まってくる商業の中心地。

この堂島米会所では、全国の大名から届いたお米を売買するため、多くの商人や仲買人たちが集まり、熱気あふれる取引が行われていました。

堂島米市の図(浪花名所図会)/歌川広重 画
大阪府立中之島図書館 所蔵(パブリックドメイン)

📜「米切手」とは?現物なしで売買!

ここで登場するのが「米切手(こめきって)」という不思議な仕組み。

これは「将来この量の米を納品しますよ」という約束の証文のようなもので、
実際に米がなくても、将来の取引を先に売買することができたんです。

つまり、
今のうちに米を安く買っておいて、収穫期に高く売れば儲かる
まさにこれが、先物取引の原型なんですね!

👨‍🌾「相場師」たちの駆け引き

当然、そんな仕組みの中には「値段の変動」を読んで利益を出す『相場師(そうばし)』たちも登場します。

🔍相場師というのは、
相場(市場の価格)を読んで、売り時・買い時を見極めて動くプロのような存在。
情報をいち早くつかんで先回りしたり、ときにはわざとウワサを流して米の値段を操作したり。

今でいう「情報を悪用した不公平な取引」や、「情報の非対称性(持ってる情報の差)を利用した売買」のようなことも、実はこの頃からあったかもしれません。

江戸時代から、市場というのは情報と判断の積み重ねで動いていたんですね。

💡そして、今へとつながる

こうした「堂島米会所」での取引こそが、先物市場の始まりでした。

🔍現代の先物取引や「デリバティブ(金融派生商品)」と呼ばれる商品にも通じています。
(※金融派生商品=株や為替などの値動きに連動して価格が変わる「変化型」の金融商品)

・将来の価格変動に備える

・現物がなくても信用で売買する

・情報が価値になる

これって、今の暗号資産や株式市場ともつながっていると思いませんか?

次回は、海を越えてアメリカへ!
世界で初めて正式な先物取引所ができた、シカゴの「CBOT」について紹介していきます!

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