動画を簡単に信じるな!AIディープフェイクで急増する『有名人なりすまし投資詐欺』の見抜き方
【あなたの財産を守る!】オンラインの落とし穴と防衛術|その6
いま、もっとも危険な詐欺は「AIを使った映像」です
ここ数年で、詐欺のレベルはとんでもなく進化しました。
かつては、
- 明らかに怪しい日本語
- どこかで見た画像のコピペ
- 不自然な広告バナー
そんな分かりやすい詐欺が主流でした。
ところが今は違います。
AIによって「本人そっくりの動画」が大量に作られ、
本物のニュースやCMのように見せかけて投資詐欺に誘導する時代に突入しています。
そんなSNS広告を見て信じてしまう人も多く、
被害額は 数百万円〜数千万円 にまで膨れ上がるケースが続発。
今回は、そんな『最新のAI詐欺』の実態を分かりやすく解説します。
静止画の時代は終わり。いまは「動く偽物」が当たり前に
◆ なぜ動画が危険なのか?
AIの進化により、詐欺は
「誤字脱字だらけの怪しい広告」→「完璧な本人の映像」
に変化しました。
以前は静止画の無断利用が多かったものの、
最近は以下の技術がフル活用されています。
- 音声合成(AIボイス)
- ディープフェイク動画
- 偽インタビュー動画の自動生成
これにより、
「●●さんが“直接”投資を勧めてる動画が出てきたので信用した」
「本人が話してるんだから、間違いないと思った」
という心理を突かれ、被害が急増しています。
◆ フェイク動画は、どこに出てくるのか?
- YouTube広告
- Facebook/Instagram広告
- LINEのタイムライン
- TikTok
- X(旧Twitter)
このような大手の広告枠で流れるため、「本物っぽさ」 が段違いです。
実際に起きた『日本人に身近なAI詐欺』の事例
① 前澤友作氏のなりすまし動画(2025年・国内)
2025年7月頃、YouTubeやSNSで
前澤友作氏そっくりのAI生成動画 が大量に広告配信され話題になりました。
内容は、
- 本人が登場しているように見える
- 過去の音声データを使いリアルな声を合成
- 「秘密の投資ノウハウを無料公開」などと勧誘

しかし実際は 完全なディープフェイク。
本人がXで
「これは全部詐欺です。絶対に入金しないでください」
と注意喚起する事態にも発展しました。
② 著名人を悪用したディープフェイク詐欺が急増中
● 高市早苗総理大臣のディープフェイク
ニュース番組風の画面や、実在しないインタビュー映像をAIで生成し、あたかも総理本人が投資を勧誘しているかのように見せる偽動画が拡散しています。
高市総理本人も、見かけてもアクセスしたり個人情報を入力しないよう強く注意を呼びかけています。
クリックすると、
- 海外詐欺業者のLINEグループ
- 偽の投資サイト
へ誘導され、最終的に金銭を振り込ませる手口です。
● 他にも悪用されている有名人の例
最近では、著名な政治家・有名人の名前や映像がディープフェイクに利用されるケースが増えています。
- 元首相クラスの政治家
- 人気タレント・インフルエンサー
- 有名YouTuber
- 経済系インフルエンサー
いずれも「本人が投資を勧めているように見える」偽動画で、信じやすい層を狙った巧妙な手口です。
AIディープフェイクを見破るための「目」を持とう
AI映像は精度が高いですが、まだ完璧ではありません。
以下のチェックをすると、偽物を見破れる確率がぐっと上がります。
① 映像・音声の『微妙な不自然さ』をチェック
瞳と目線
- 目線が一定方向に固定
- まばたきが極端に少ない/多い
- まばたきのタイミングがズレている
顔と背景の光の違和感
- 顔の影だけおかしい
- 肌の質感だけ妙に滑らか
- 背景の光源と顔の光の方向が一致しない
口元と声が微妙にズレる
- 音声と口の動きが“数フレーム”ずれている
- 子音が潰れる
- 息継ぎが不自然
表情や動きがループする
- 同じ表情を繰り返す
- 感情と動作が一致していない

② 映像を信用する前に「文脈」を確認(これが重要!)
✔ 公式ソースの確認
広告で何か勧誘されても、絶対にその広告から登録しない。
- 本人のSNS
- 企業の公式サイト
- IR情報
を自分で検索し、同じ情報が「公式に存在するか」チェック。
✔ URLの一致を確認
- 本物の公式URLは何か
- 宣伝URLと一致しているか
1文字違いの偽サイトが非常に多いです。
✔ 危険ワードがないか
- 「必ず儲かる」
- 「元本保証」
- 「AIで確実に資産が増える」
これは すべて詐欺の常套句 です。
✔ コメント欄もヒントになる
- 「これ詐欺です」
- 「偽物だよ」
という警告コメントが多い動画は、ほぼアウトです。
今日からできる「AI詐欺」から身を守る3つの防御策
① SNS広告の『投資案件』はクリックしない
本物に見えても、まず怪しむべきは広告。投資・暗号資産・副業系は特に危険です。
② 必ず本人のSNSで「公式情報」を確認する
前澤友作氏の例のように、本人がすぐに否定コメントを出すことが多いですが、最近は『本人のSNSになりすました偽アカウント』も増えています。
そのため、
- 認証バッジ(公式マーク)の有無
- フォロワー数や投稿履歴が不自然でないか
- 過去投稿との文体の一貫性
なども確認し、疑わしい場合は絶対にアクセスしないよう注意してください。
③ 不審な投資話は、必ず第三者に相談する
- 家族
- 友人
- セキュリティサイト
- 消費生活センター
1人で判断しないことが最大の防御となります。
動画の時代こそ、『映像を疑う力』が必要
AIの進化は便利な一方、本物と偽物の境界線 をなくしてしまいました。
- 有名人の映像
- 公式ニュース風の画面
- 完璧な音声合成
- SNS広告の信頼性
これらはすべて、詐欺に悪用される時代です。
だからこそ、
- 映像を『鵜呑みにしない』
- 公式情報を自分で調べる
- 誘導URLは必ず確認する
という たった3つの行動 が、あなたの資産を守る大きな武器になります。
そして、これからの数年で、AIによる偽動画は『本物と完全に区別できないレベル』に到達すると言われています。
つまり、私たちが頼りにしてきた「目視による判断」そのものが通用しなくなる未来が確実にやってきます。
だからこそ今、
- どんなに本物そっくりでも鵜呑みにしない
- 公式情報を必ず自分で確認する
- 「ちょっとでも怪しい」と思ったら絶対に踏み込まない
この『疑う力』が、あなたの財産と未来を守る最後の砦になります。
今から、あなた自身の「見抜く力」を育てていきましょう。

