金運用を始める前に
資産運用を考える際に、何に投資をするか?は非常に大事な選択です。
その中で、有史以来富の象徴として人気を集めているのが金ですね。
もちろん現代でもその希少性から普遍的な価値を持つ資産であり、国や発行体という違いにとらわれず世界中で取引されています。
また2020年以降、コロナの蔓延やロシアのウクライナ侵攻といった世界的な情勢不安から金の値段も急速に上昇しており、投資対象としての金へ注目が集まっています。
そこで今回は、資産運用の投資先として金を選んだ場合の投資手法や注意すべき点など、これから金投資をスタートする時のポイントをまとめてみました。
金(ゴールド)を資産運用に使う際のポイント
【メリット】
- インフレ・通貨下落に強い:「実物資産」として価値を維持しやすい
- 有事の資産:戦争・金融危機などで価格が上がりやすい
- 世界共通の価値基準:どの国でも流通・換金可能
【注意点】
- 金利を生まない:株や債券のように配当・利息はなし
- 価格変動リスク:短期では上下が激しいこともある
- 為替リスク:特に円建てで投資する場合は為替の影響を受ける
代表的な金投資の方法と特徴比較
投資手法 | 特徴 | 向いてるひと | 注意点 |
金積立 | 毎月少額ずつ購入し長期保有(ドルコスト平均法) | 初心者・長期投資家 | 売買手数料・保管手数料がある |
金CFD取引 | 差金決済。レバレッジをかけて取引可能 | 中上級者・短期トレーダー | 損失リスク大・ロスカットリスクあり |
金地金取引 | 実物の金を購入・保管する | インフレ対策・安全資産確保 | 保管・盗難・売却時の手数料に注意 |
金の賢い使い方(目的別アプローチ)
目的 | 推奨手法 | 活用ポイント |
長期的な資産保全 | 金積立 or 金地金 | 少額からコツコツ積立 or 実物で保有し有事に備える |
短期トレードによる利益追求 | 金CFD取引 | 相場分析とリスク管理を徹底する |
分散投資・インフレ対策 | 金積立 or 金地金 | 株や債券とのバランスを考慮して10〜20%程度組み入れ |
金投資で失敗しないためのチェックリスト
- 目的を明確にする(守りか攻めか)
- 手数料体系を確認する(積立手数料・スプレッド・保管費用など)
- 保管方法を検討する(自宅保管か、信頼できる業者の保管サービスか)
- 為替リスクを理解する(円高になると価格は下がる傾向)
- 相場に振り回されず長期視点を持つ

金を運用対象とした場合のポイントをまとめましたが、やはり気になるのは今後の値動きですよね。
金を取り巻く環境を考えると、世界的なインフレ傾向からしばらくは価格上昇を続ける可能性はありますが、アメリカと中国を中心として関税の綱引きで、短期的には関税引き下げ合意となれば下落、合意破棄となれば上昇となったり、アメリカの金利引き下げになれば、再度米ドルから金への資金流入を加速させ上昇するといった要因が考えられます。
ただ、世界的な地政学的リスクや中央銀行が金を買う動きが続くようであれば、引き続き金価格の下支え要因となりそうですね。
いずれにしましても、資産全体のバランスを考えた賢い金投資の使い方を心がけましょう。