お金の正体と現代社会のリアル
信用と価値のふしぎな関係
お金の始まりと進化|番外編
今回はこれまでの「お金の始まりと進化」シリーズの番外編として、「えっ、そんなことあるの?」と思わず驚くような、お金に関する面白い話を集めました。
「お金」ってとっても身近なのに、実はまだまだ知らないことがたくさんあるんです。
🏦 銀行は「お金を生み出す」魔法使い!?
みんなが銀行にお金を預けて、他の誰かがそのお金を借りる──そんなイメージ、ありますよね?
でも実は、銀行って預かったお金をそのまま貸しているわけではないんです。
たとえば──
・ Aさんが1000万円を銀行に預ける。
・ 銀行はその一部を準備金として残し、残りをBさんに貸し出す。
・ Bさんは借りたお金を別の銀行に預ける。
・ その銀行もまた、預かったお金をさらに貸し出す。
このように、一つの元手が何度も銀行をめぐることで、世の中の預金残高がどんどん増えていっているのです。
これは「信用創造」と呼ばれる仕組み。
帳簿上では貸出金と預金残高の両方が記録され、現実に存在する現金とは別に、見えない『信用』がお金を増やしていっているのです。

つまり、世の中のお金は「実体のあるモノ」ではなく、信用=信頼を元にして生まれているのです。
🔑 秘密鍵をなくしたら二度とお金にアクセスできない!?
デジタルな暗号資産は、とても便利なものです。
でも、その「便利さ」の裏に、誰にも助けてもらえない怖さもあります。
たとえば、ビットコインなどを自分のウォレットで管理する場合、
「秘密鍵」や「シードフレーズ」と呼ばれるパスワードのようなものが必要です。
これがお金そのものを操作する鍵なんです。
この鍵をなくしてしまうと、たとえ中にたくさんの暗号資産が入っていても、
誰も復元できず、取り戻す手段も基本的にはゼロです。
一方で、取引所に預けている場合は、パスワード再発行やサポートがあるので、
完全にアクセス不能になるリスクは比較的低めです。
世界では、
「ゴミ捨て場に捨てた古いハードディスクにビットコインが入ってた!」
なんて事例もあるんです。
💸 世界に実在した“価値ゼロ”の超高額紙幣たち
お札にどれだけ大きな数字が書かれていても、価値があるとは限りません。
たとえばジンバブエでは、インフレによって、
「100兆ジンバブエドル紙幣」が発行されました。
でも、それで買えるのはパン1個だけ。
なんと当時のジンバブエでは、1日に2回も給料を受け取っていたそうです。
それほどインフレがすごく、昼にパンを買わないと、夕方にはもうお金の価値が下がって買えなくなってしまうほどだったんです。
同じような事例は他にも:
・ ドイツ(1920年代):戦後の混乱で物価が1日ごとに2倍に。子供たちが札束を積み木のようにして遊ぶ当時の写真もあります。
・ ハンガリー(1940年代):2日で物価が2倍という異常事態。最終的には「1のあとにゼロが29個(つまり 10垓(じゅうがい)という、とてつもない単位)」の紙幣が登場。
・ジンバブエ(2000年代):年率2億%を超える超インフレ。ついには他国通貨に切り替えることに。

数字はすごいけど、買えるものはごくわずか。
「信用のないお金は、ただの紙」なんです。
🧾 見えない力が、お金を動かす
今回紹介したお話はどれもちょっと不思議で、でもすごく現実的なことばかりでした。
お金は、信頼やルール、そして人と人とのやりとりで成り立っています。
目に見えないけれど、確かに存在する『信頼のネットワーク』が、
お金の価値を支えているんですね。