大人のための「活きたお金の使い方」-第3回- SNSの「隣の芝生」に惑わされない、私だけの豊かさを決める「羅針盤」の作り方

何気なくSNSを開いたら、
「今月も爆益でした!」 「家族で海外旅行、最高!」 「○○を買いました。やっぱり本物は違う」

見た瞬間、胸の奥がざわっとする。
なんとなく焦ったり、モヤモヤしたり。

そんな風に感じたことありませんか?
それは、あなたが弱いわけでも、心が狭いわけでもありません。
人として、誰もが持っている自然な感覚です。

比べてしまうのは、人として自然なこと

1954年、アメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガーが、こんな理論を発表しました。

「人は自分を評価するために、自然と他人と比べようとする」

難しい言葉で「社会的比較理論」と呼ばれていますが、要するに「他人と比べるのは人間の本能に近い性質だ」ということ。
半世紀以上前に生まれた理論ですが、その後も多くの研究者によって発展が続き、現代のSNSにおける心理を読み解く上でも今なお重要な考え方として引用されています。

比べること自体は、悪いことではありません。
「あの人みたいになりたい」という気持ちが、成長のきっかけになることもある。
問題になるのは、比べることで自分が必要以上に苦しくなってしまう時です。

SNSが「比較」を増幅させる理由

SNSに流れてくるのは、誰かの「いちばん良い瞬間」が多いもの。

  • 旅行の楽しいシーン
  • うまくいった投資の報告
  • 素敵なランチの写真

その裏にある日常の苦労や失敗は、ほとんど投稿されません。

つまり私たちは毎日、「他人のハイライト集」と「自分のリアルな日常」を比べていることになります。
これでは苦しくなるのも当然のこと。

さらに、人の脳には「良いことよりも悪いことの方が気になりやすい」という性質があります。

「今日も良かった」より「あの人の方がうまくいっている」という情報の方が、頭に残りやすくできているのです。
SNSはこの性質と相性が良すぎる、とも言えるかもしれません。

「比較」から生まれたお金の使い方

SNSを見て焦った気持ちから動いたお金は、
後から振り返ると「なぜあの時買ったんだろう?」と思うことが多いもの。

  • みんなが持っているから買った。
  • 爆益報告を見て、自分も焦って投資した。
  • キラキラした生活に憧れて、無理な買い物をした。

こうした消費は、自分の本当の気持ちや価値観から出たものではなく、「他人との比較」から生まれたもの。
だから満足感が続かず、次の比較へ、次の不安へとつながっていきやすいのです。

これは良い悪いという話ではなく、仕組みとしてそうなりやすい、という話です。

自分だけの「羅針盤」を持とう

羅針盤は、船が正しい方向に進むための道具のこと。
ここでは「自分にとっての豊かさを指し示してくれるもの」という意味で使っています。

他人の基準ではなく、自分の基準でお金と向き合うために、ちょっと自分に問いかけてみてください。

  • SNSを見ていなくても、本当に欲しいと思うもの?
  • 誰かに見せるためではなく、自分のためのもの?
  • これを手に入れた1年後も、自分は満足しているだろう?
  • 自分の「本当に大切なこと」につながっているもの?


正解はないのですが、この問いかけを習慣にすることで、「比較から生まれた消費」は少しずつ変わっていくかもしれません。

「幸せのコスパ」は人それぞれ

よく「コスパが良い」という言葉を聞きますが、幸せのコスパは人によってまったく違います。

ある人にとっては、家族との静かな食卓が最高の幸せ。
ある人にとっては、一人でゆっくり読書する時間が何より豊か。
もちろん、好きなブランドを買い揃えていくことでも、それが本当に自分を満たすなら、立派な「活きたお金」の使い方です。

大切なのは、その基準が「自分の内側」から来ているかどうか。
他人のキラキラに引っ張られた基準ではなく、自分が心から「これでいい」と思える基準かどうかです。

SNSは使い方次第で、役立つツール、楽しいツールになります。

なので、たまに自分にこう問いかけてみるのはどうでしょうか。
「これは、私が本当に望んでいることかな?欲しい物かな?」

「活きたお金」「知恵を残すこと」「自分だけの豊かさ」。
どれも、答えは自分の中にあるものばかり。

自分だけの羅針盤、ぜひ探してみてください。

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