『不動産・ゴールド・AI株』この上昇、本物?それとも熱狂?2026年の資産市場
第3回:AIブームは本物か、それとも熱狂か?株価乱高下の今、冷静に考えたいこと
「AIで株が上がった?下がった?」
こんな話題が増えていませんか?
「AI関連株、すごく上がってるって聞いたけど、最近また下がってるね」
「乗り遅れたと思って買ったら、すぐ下落した」
「そもそもAI株って、どの株のこと?」
2026年4月、日経平均株価が初めて6万円台に乗せた背景の一つが、AI・半導体関連株への買いでした。
その後も大台突破による達成感や大口投資家の利益確定などから、激しい乱高下を繰り返しています。
「上がる・下がる」の繰り返しの中で、
「結局AIって投資としてどうなの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、このAIブームを初心者にもわかりやすく整理してみます。
「え、味の素が半導体?」日本にも意外なAI関連企業がある
AIの話をすると、エヌビディアのような米国の有名企業が話題になります。
でも実は、私たちの身近な日本企業が世界のAIを支えているケースがたくさんあります。
その一番わかりやすい例が味の素です。
「調味料の会社が、なぜAI?」と思いますよね。
味の素はアミノ酸の研究から生まれた技術を応用して、半導体の絶縁材料(回路のショートを防ぐ重要なフィルム)「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」を製造しています。
このフィルム、世界シェアのほぼ100%を味の素が独占しています。
AIサーバーの中には大量の半導体が使われています。
その半導体の製造に、味の素の素材が欠かせない。
つまり「世界中のAIサーバーに、味の素が入っている」という状況です。
この事業の利益は今や味の素全体の約3割を占めるまでに成長。
株価も2020年3月のコロナショック安値813円から、2026年5月につけた上場来高値5,739円まで、約6年で7倍に上昇しました。

味の素以外にも、TOTOのようなトイレや水まわりで知られる企業が半導体製造に欠かせないセラミック素材を手がけていたり、
電線・空調・冷却設備など、一見AIと無関係に見える分野の日本企業が世界のAIインフラを支えているケースは数多くあります。
日本には「AIの縁の下の力持ち」的な企業がたくさんある。これが今の実態です。
20年前のITバブルと今、何が似ていて何が違うのか
「このAIブーム、バブルじゃないの?」という疑問はとても自然。
2000年前後、「インターネット関連」というだけで実態のない企業の株が急騰し、その後崩壊しました。多くの企業が消え、投資家は大きな損失を被りました。
これが「ITバブル(ドットコムバブル)」です。
今との「違い」
当時と大きく違うのは、今は「実際に使われていて、実際に儲かっている」企業が存在する点です。
みなさんも、ChatGPTやスマホのアシスタント機能など、AIを日常的に使っていますよね。
AIはすでに「実際に使われるもの」になっています。
エヌビディアをはじめとする企業は、AIの需要を背景に実際に業績を伸ばしています。
今との「似ている点」
一方で、似ている部分もあります。
- 特定の銘柄に資金が集中しすぎている
- 「乗り遅れたくない」という焦りで買う人が増えている
- 株価が業績より先に上がりすぎている部分がある
「本物か熱狂か」どちらとも言い切れないのが正直なところです。
AIそのものは本物でも、株価の上がり方に熱狂が混じっている、というのが今の状況かもしれません。
乱高下している理由
AI株が激しく動く理由を、シンプルに整理するとこうなります。
実際に株価を大きく動かしているのは、機関投資家やヘッジファンドなどの大口の売買です。
また、条件が揃うと自動的に大量売買するアルゴリズム取引も価格を瞬時に動かします。
AI関連株は特定の銘柄に資金が集中しているため、大口の売買が入ると価格が一気に動きやすい構造になっています。
さらに「AIといえばこの株」という主役銘柄が次々と変わっていくため、資金の動きも慌ただしくなっています。半導体→電力→メモリーと、注目が移るたびに急騰と急落が繰り返されています。
個人投資家が「怖くて売った」「焦って買った」という動きも加わりますが、
価格を大きく動かしているのは主に大口の売買という点は知っておくといいかもしれません。

今できることは、自分の「持ち物」を確認すること
NISAで投資信託を積立てている方も多いと思います。
実は投資信託は、複数の株をまとめて買う仕組みです。
つまりNISAで積立てているだけで、知らないうちにさまざまな企業の株を保有していることになります。
「AI株には投資していない」と思っていても、NISAで積立てている投資信託や保有している投資信託の種類によっては、AI関連企業の株が含まれている場合があります。
特にS&P500インデックスは上位銘柄にAI関連企業の比率が高く、全世界株式(オルカン)も米国株が約6割を占めるため、AI関連の比率はゼロではありません。
ただし日本株インデックスは米国株インデックスと比べてAI関連の比率は低くなります。
どんな企業が入っているか、一度確認してみてください。
証券会社のアプリや口座画面で「上位組み入れ銘柄」として確認できます。
乗り遅れを焦って動くより、「自分が何のために投資しているか」という本来の目的に立ち返ること。
それが、乱高下する相場の中で一番大切なことかもしれません。
⚠️ ご注意ください この記事は、AI・株式市場に関する一般的な情報をもとにした読み物です。 個別銘柄への投資は、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。 記事内の数字はすべて参考情報であり、将来の運用成果を保証するものではありません。



