【情報漏洩からあなたの財産を守る②】確認する・備える・相談する 今日からできること

前回は、何が漏れたのか、お金の面で何が心配なのかを整理していきました。
漏れた情報は、お金の手続きで悪用されうる。だから、備えておく価値があります。

完璧に防ぐことはできませんが、「入口を絞る」「確認する」「困ったら相談する」。
この3つなら、今日から始められます。

情報は、10月21日時点の公式発表や報道をもとにしています。

まずは自分に関係があるかを確認する

会社からの連絡は、公式サイトで

漏洩があった会社は、公式サイトや公式アプリで、お知らせを出しています。
連絡が来ていてもいなくても、まず公式のお知らせを見てください。

タイムズカーの場合、退会した人や、入会手続き中の人も、対象に含まれています。
退会した人向けの問い合わせフォームも、公式ページにあります。

連絡を装った偽物に注意

警察庁は、漏えいした会社を名乗るメールのリンクを開かないよう、呼びかけています。
メールのリンクではなく、ふだん使っている公式アプリや、ブックマークしたサイトから確認するのがおすすめです。

偽メールや偽電話を見分けるコツは、過去の記事でも整理しています。
不在通知・金融機関を名乗るメールへの注意
詐欺の手口から自分を守る 電話編

備える:登録の入口を絞り、アカウントを守る

別々の漏洩が、つながることがある

セキュリティ会社のFlareは、2026年6月、犯罪者が集まるTelegram(メッセージアプリ)のチャンネルで、メールアドレスを入れると、複数の漏洩データから集めた情報がまとまって出る自動ボットを見つけた、と報告しています。
この報告では、ボットの利用者数や実際の被害例、日本の今回の件との関連は示されていません。

日本の今回の件で、同じことが起きているかは、不明です。メールアドレス以外の情報が、どこまで使われるのかも、分かっていません。

登録の入口を絞る3つの習慣
  1. 任意の項目は空欄にして、必要な項目だけ入力する
  2. できる人は、メールアドレスを用途で使い分ける(買い物用、ポイ活用など)
  3. 使わないアカウントを整理する

ただし、退会しても、会社に情報が残る場合があります。
タイムズカーの約660万アカウントにも、退会した人が含まれていました。

全部やめる必要はありません。
登録するとき、「この項目は本当に必要?」と立ち止まるだけでも、入口は絞れます。

パスワードと多要素認証

パスワードの使い回しは、やめましょう。
1つが漏れると、ほかのサービスでも試されるおそれがあるためです。

多要素認証(ログインのとき、パスワード以外の確認も行う仕組み)も、設定できるものから使ってください。
警察庁も、パスワードの使い回しをしないこと、多要素認証を使うことを、呼びかけています。

くわしくは、パスワードの新常識と、リスト型攻撃の記事へ。

日常の確認も続ける

カードの利用明細は、定期的に見る。
身に覚えのない請求は、早めにカード会社へ連絡を。

電話には、警察庁が推奨する詐欺対策アプリがあります。
「詐欺バスターLite」と「詐欺対策byNTTタウンページ」。
特殊詐欺などに使われた番号について、警告やブロックを行います。
ただし、すべての詐欺電話を防げるわけではありません。料金や対応OSは、各アプリで確認してください。

お金の面で備える:信用情報の確認と申告

信用情報機関とは、ローンやクレジットカードの契約の記録を管理している機関です。
CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター(全銀協)の3つがあります。

使える手続きは、2つ。

  • 本人開示:登録されている、自分の信用情報を見る。CICの開示では、契約内容や支払状況のほか、新規申込時に審査のため照会された情報も確認できます。身に覚えのない申込みの形跡がないか、見る材料になります
  • 本人申告:免許証の紛失や、情報漏洩のおそれがあるとき、「自分の名義を悪用されるかもしれない」と届け出る
信用情報機関本人開示本人申告
CICオンライン500円1,000円。登録は5年間
JICCスマホ700円700円。登録は5年間
全銀協オンライン800円500円(オンライン)

必要なもの(スマホ、マイナンバーカード、届け出ている電話番号など)は、機関ごとに違います。

いま、各機関で申込みが増えています。
JICCと全銀協は、通常より日数がかかると案内し、日数は示していません。
CICは、インターネットなら当日中、郵送は通常より時間がかかる、としています。
申込み前に、最新の案内を確認してください。

知っておきたい限界

  • 効果は、保証されません。CICは、与信判断は加盟会員が独自に行い、効力は保証しないと説明しています。JICCは「期待できます」という説明です
  • JICCは、申告の例として「運転免許証の画像を送信してしまった」をあげています
  • 全銀協は、通常の商取引で画像を送った場合は、原則として申告を受け付けないとしています。タイムズの件が当てはまるかは、不明です。申し込む前に、センターへ確認を
  • 全銀協の照会は、預金口座の開設時には行われません。口座の不正な開設を確認する手段があるかは、分かっていません

免許証の再交付をどう考える?

分かっていること
  • 報道によると、東京都内では約10日間で、約1,500人が再交付を受けました
  • 再交付で変わるのは、顔写真と、12桁の番号の末尾。氏名、住所、生年月日は変わりません
  • 時事通信は、効果は限定的で、事業者が更新後の免許証かを確かめるすべがない、と伝えています(全ての事業者に当てはまるかは不明)
  • 手数料は、東京の場合、運転免許証のみで2,600円(警視庁、2026年1月更新)。マイナ免許証との組み合わせで、金額が変わります
  • 対応は、都道府県で異なります。事前に、住んでいる地域の警察へ確認を
  • 10月21日時点で、再交付の手数料を補償するというタイムズの公式発表は、確認できた範囲では見つかっていません
国の動きは?

2027年4月1日から、犯罪収益移転防止法の施行規則の改正が施行されます。
警察庁の資料によると、対面の本人確認では、ICチップ付きの本人確認書類は、ICチップ情報の読み取りが求められます。対象は、法律で定められた「特定事業者」(金融機関などを含む)です。

オンラインでは、免許証の撮影画像による確認を、ICチップの読み取りに原則一本化する、と報じられています(日刊工業新聞)。

金融庁は10月9日、金融機関などに、ICチップ読み取りへの早期移行を求めた、と報じられています。要請であり、期限は示されていません。

判断の材料は?

再交付は、「やる・やらない」に正解がある話ではありません。効果と手間を知ったうえで、それぞれが決めること。
判断の材料は、どの会社に画像を預けたか、手数料と時間、ほかの備えとの組み合わせ。

困ったときの相談先

ひとりで抱えないこと、それも大事な備えです。

こんなとき窓口番号とメモ
不審な連絡や被害の相談警察相談専用電話#9110。緊急の事件・事故は110
サイバー犯罪の相談(東京)警視庁サイバー犯罪相談窓口03-5805-1731。平日8:30〜17:15。東京以外は各県警へ
契約のトラブル消費者ホットライン188。近くの消費生活センターを案内
金融サービスの相談金融庁 金融サービス利用者相談室0570-016811。平日10:00〜17:00。あっせん・仲介はしない
個人情報の取り扱いへの苦情個人情報保護委員会03-6457-9849。平日9:30〜17:30(祝日を除く)
漏洩した会社への問い合わせ各社の窓口公式サイトの番号。検索で出た番号や、メールの番号は避ける

個人情報保護委員会は、漏えい対応の相談が対象かどうか、記載がありません。まずは、会社や警察へ。

まとめ

  • 確認は、必ず公式サイト、公式アプリから
  • 登録は、必要な項目だけに。入口を絞る
  • 困ったら、相談する

完璧に防ぐことは、できません。
でも、今日1つだけ、パスワードの使い回しを見直すだけでも、備えは進みます。


参考(公式発表ほか)

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