FXの税金は?株と同じ20.315%でも別物です
FXの仕組みと始め方が見えてきたところで、気になるのが「利益が出たら税金はどうなるの?」というところ。
株の記事を読んだ人は、「株と同じゃないの」と思うかもしれません。
ところが、税率は同じでも、手続きや損益の扱いはかなり違います。
今回は、その違いを整理していきます。
FXの利益は、別枠で計算する
FXで出た利益は、税法上「先物取引に係る雑所得等」という区分になります。
給与など他の所得とは合算せず、別に税額を計算する「申告分離課税」です。
税率は、
- 所得税15%
- 住民税5%
- 復興特別所得税(所得税額の2.1%)
合計で20.315%。
利益の大きさや、給与の多い少ないに関係なく、一律です。
この記事に出てくる税率は、2026年分(2026年1月〜12月の取引分、申告するのは2027年)のものです。
ちなみに、2027年分からは、復興特別所得税の税率が下がり、かわりに防衛特別所得税が加わる予定です。
内訳は変わりますが、合計の負担は同じになる計算です。
税制は毎年見直されるので、実際に申告するときは、その年の最新の情報を確認してください。
何に税金がかかる?
対象になるのは、為替差益やスワップポイントなど、FX取引で確定した損益です。
含み益のように、まだ確定していない損益は、原則としてその年の所得には含めません。
確定申告は、基本的に自分で
株の特定口座(源泉徴収あり)には、税金の計算から納付まで証券会社がやってくれる「おまかせ」の仕組みがあります。
FXには、これがありません。
利益が出たら、原則として自分で確定申告をして、納税します。
申告書に書き込む損益の元になるのは、FX会社が用意している、その年の損益をまとめた書類です。
呼び方は会社によってさまざまで、「年間損益報告書」「年間取引報告書」「期間損益報告書」「年間取引明細書」などがあります。
出る時期や見られる場所も会社ごとに違うので、自分の口座のマイページで、どの名前で用意されているか、探しておくと慌てずにすみます。
会社員には「20万円ルール」がある
・給与を1か所から受けている
・給与収入が2,000万円以下
・年末調整が済んでいる
といった条件を満たす場合、FXの利益を含む給与以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告は原則不要です。
判断するのは収入ではなく、必要経費を引いたあとの所得です。

ただし、気をつけたい点が2つ。
ひとつ目は、住民税にはこの免除ルールがないこと。
所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別に必要になる場合があります。
そしてもう一つは、医療費控除などで確定申告をするときは、20万円以下の利益も合わせて申告すること。
申告すれば、その利益も課税の対象になります。
20万円ルールは「税金がかからない」という決まりではなく、「申告しなくてもよい」という決まりだからなんです。
株の損益とは、通算できない
FXの損益は、「先物取引に係る雑所得等」という枠の中でだけ通算できます。
同じ枠に入るのは、日経225先物や商品先物などです。
株の売買損益や配当は、同じ申告分離課税でも、この枠とは別。
つまり、株で出た損失をFXの利益と相殺することはできません。逆も同じです。
給与所得など、ほかの所得とも通算できません。

| 項 目 | 株(特定口座・源泉徴収あり) | FX |
|---|---|---|
| 税率(2026年分) | 20.315% | 20.315% |
| 税金の処理 | 証券会社が代行 | 自分で確定申告 |
| 損益を通算できる相手 | 上場株式の損益・配当など | 日経225先物・商品先物など |
| 損失の繰越控除 | 3年間(株の利益などと相殺) | 3年間(FXなどの利益と相殺) |
損失が出た年は
同じ枠の中で引ききれなかった損失は、確定申告をすることで、翌年以降3年間、「先物取引に係る雑所得等」の利益から差し引けます。
これが繰越控除です。
条件は、損失が出た年に申告すること。そして、その後も連続して、専用の付表をつけた確定申告書を出し続けることです。
繰り越している間は、取引がなかった年も申告を忘れないようにしましょう。
損失が出たときには、こういう仕組みを使える場合があるので、選択肢として覚えておくと安心です。
海外のFX業者の場合
海外のFX業者など、国内の登録業者(第一種金融商品取引業者など)以外での取引は、国内のFXとは税金の扱いが異なります。
申告分離課税の対象にならず、一般的には雑所得として総合課税になるため、ここで紹介した税率や損益の扱いは当てはまりません。
まとめ
FXの税率は、株と同じ20.315%。
でも、確定申告は自分で行い、損益は株と通算できません。
損失が出た年の繰越控除は、連続した申告が条件です。
税金は個別の状況で変わることもあるので、不安なときは税務署や税理士に相談してみてください。


