【先物取引の始め方②】期限のしくみと、追証のこと
前回は、先物取引が「将来の取引を、いま約束する仕組み」だと見てきました。
👉 前回の記事:先物取引って何?FXとの違いから、基本の仕組みまで
FXと先物には、大きな違いがひとつあります。それが「期限」。
今回は、この期限のしくみと、証拠金が足りなくなったときの「追証」を、順番に見ていきます。
先物には、取引の期限がある
FXでは、原則として期限がありません。ただし、証拠金が足りなくなったときに、ロスカットなどで決済されることはあります。
先物は違います。
契約ごとに「ここまで」という期限が決まっていて、その期限の月を「限月(げんげつ)」といいます。
チケットの有効期限のようなものです。
日経225先物のラージなら、限月は3月、6月、9月、12月。
たとえば「2026年12月限」といえば、2026年12月が期限の契約のことです。
ミニとマイクロは、毎月が限月です。
ただし、実際に取引できるのは、期限の近い、いくつかの限月に限られます。

期限日に決まる値段、それが「SQ」
期限が来たとき、持っている取引は、自動的に清算されます。
そのときに使われる値段が「SQ値(エスキューち)」です。
流れは、こうなっています。
- 最終取引日:限月の第2金曜日の前日。休業日にあたるときは、繰り上がります
- SQ日:最終取引日の次の営業日
- SQ値:SQ日に、日経平均を構成する銘柄の始値(その日、最初についた値段)をもとに計算される、特別な日経平均の値
たとえば2026年12月限なら、第2金曜日は12月11日。最終取引日はその前日の12月10日(木)、SQ日は12月11日(金)です。
最終取引日までに決済しなかった取引は、このSQ値で清算されます。
日経平均そのものを受け渡すわけではなく、差額をお金でやり取りするのは、前回の「差金決済」と同じです。
期限が近づいたら、できることは3つ
期限が近づいたとき、できることは大きく3つあります。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 期限の前に、反対売買で決済する | 買っていたなら売る、売っていたなら買い戻す。期限前なら、取引できる時間にいつでもできます |
| そのままSQまで持つ | 最終取引日までに決済しなければ、SQ値で自動的に清算されます |
| 次の限月に乗り換える | 今の限月の取引を終えて、次の限月で取引を始めること。「ロールオーバー」とも呼ばれます |
どれがいい、という話ではありません。
期限があるから、こういう選択肢が生まれる。まずは、そんな仕組みがあることを知っておけば十分です。
追証って、何?
次は「追証(おいしょう)」の話です。
追加証拠金の略で、預けた証拠金が足りなくなったときに、追加で入れるお金のことをいいます。
証拠金は、いわば取引の担保。
値動きが見通しと逆に向かうと、取引の損が膨らんでいきます。
損が膨らんだときなどに、預けた証拠金が、証券会社の定める額を下回ると、追証が発生します。また、相場の状況によって、必要な証拠金そのものが見直され、追証になることもあります。

そうなったときの流れは、会社ごとにルールが決まっています。
- 入金の期限:取引所の規則では、不足が出た日の翌営業日までに、証券会社が指定する日時まで。何時までかは、会社ごとに違います。たとえば、翌営業日の昼ごろまで、という会社もあります
- 解消する方法:取引を決済するか、現金を入れて証拠金を増やすか。細かい条件は会社ごとに違います
- 期限までに入れられなかったとき:どうなるかも、会社のルールで決まっています。持っている取引が、強制的に決済される会社もあります
最後の点は、口座を作る前に、必ず確認しておきたいところです。
もうひとつ、知っておきたいこと。
先物は、証拠金を預けて、その何倍もの取引をする仕組みです。
日本取引所グループ(JPX)でも、このレバレッジ効果は、利益だけでなく損失にも大きく働くと説明しています。そのため、損失が預けた証拠金を上回ることもあります。
怖がらせたいわけではありません。先物の仕組みとして、最初に知っておくと、慌てずに済みます。
まとめ
先物には、限月という期限があり、期限の日の値段がSQ値になります。
期限が近づくと、反対売買で決済するか、SQまで持つか、次の限月に乗り換えるか、という選択肢が出てきます。
そして、証拠金が足りなくなると追証が発生し、そのルールは会社ごとに違います。
次回は、先物取引の口座の開設から。
審査のこと、取引できる時間(日中・夜間)、注文の出し方、そして税金までを見ていきます。



