そのSMSを開く前に。フィッシング詐欺、2年連続で過去最多

「お荷物のお届けにあがりましたが、不在のため持ち帰りました」

スマホにこんなSMSが届いて、つい確認したこと、ありませんか?
通販でよく買い物をする人なら、「あ、あれかな?」と思ってURLをタップしてしまう。
でも、これがまさに罠なんです。

これは、宅配業者を装った詐欺の定番文句。
フィッシング対策協議会によると、2025年の報告件数は過去最多の245万件超
2024年も過去最多だったので、2年連続して最多を更新しています。

少し前までは、「文章が不自然だから怪しい」という以前の見分け方ができたのですが、最近は生成AIを利用した自然な文章のフィッシングも増えていて、それだけでは判断しにくくなってきています。

今回は、よくある3つのパターンと、見分け方を整理していきます。

パターンは主に3つ

パターン典型的な文言装う相手
宅配便「不在のため持ち帰りました」「宛先不明」ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便
公的機関「税金の未納分を24時間以内に」「還付金があります」国税庁・税務署
有名企業「アカウントが停止されます」「会員資格が更新されます」Amazon・カード会社など

このうち、『Amazonを装う詐欺』は、月によっては報告全体の2割を超えるなど、特に多く報告され続けています。
「注文しましたか?」「スマホを変えましたか?」など、受け取った側が思い当たりそうな文面が多いので、たまたま本当に注文した直後だったりすると、つい信じてしまいます。

そして、リンクをタップしてしまうと、本物とそっくりな偽サイトが表示されて、
ID・パスワードやカード番号を入力』させ、盗み取る
あるいはアプリのインストールを促して、スマホ自体に不正なプログラムを仕込んでくる場合もあります。
見た目だけでは、本物と区別がつかないほどよくできているので、「いつもの画面だから安心」とはならないんです。

宅配業者は、ヤマト運輸も佐川急便も日本郵便も、公式に「SMSで不在通知は送っていない」と発表しています。
国税庁も同じく、「SMSやメールで納付や差押えの連絡はしない」と明言しています。

つまり、こののようなメッセージが届いた時点で、もう答えはほとんど出ているようなものなんです。

どうやって見分ける?

巧妙になっているとはいっても、チェックするポイントは変わりません。

急かす文言
「24時間以内に」「本日中に」「今すぐ確認」。
冷静に考える時間を与えないのが、詐欺の常套手段です。

URLの確認
パソコンなら、リンクを右クリック(Macの場合はControlキーを押しながらクリック、またはトラックパッドの2本指タップ)して「リンクのアドレスをコピー」を選、メモ帳などに貼り付けてみてください。実際のリンク先のURLが文字で確認できます。(マウスを乗せるだけで表示される場合もあります)

表示された文字が企業名と違う、やたら長い、見慣れない綴りになっている、といった場合は要注意です。
スマホの場合は、リンクを長押しすると、コピーの選択肢やURLのプレビューが出ることがあります。

これだけでは見抜けないケースも増えています
2025年12月の調査では、フィッシングメールの約75.3%が、実在する企業のドメインを偽装する「なりすまし」ではなく、詐欺グループ自身が新しく契約した、独自のドメインを使ったものでした。

こうした独自ドメインは、メールごとに違うアドレスを使い分けることで、迷惑メールフィルターをすり抜けやすくなっています。
つまり「フィルターに引っかからなかったから安全」とは限らないということ。
URLを確認する習慣は大切ですが、それだけで100%見抜けるわけではない、と思っておいたほうが安心です。

一番確実なのは、メール内のリンクを使わないこと。
Amazonなら公式アプリを、宅配便や国税庁なら自分で検索して公式サイトにアクセスしましょう。
「向こうから来たリンク」ではなく「自分でたどり着いた場所」を使う。これだけで、大半は防げます。

もしもリンクを開いてしまったら

リンクを開いてただけで直ちに被害が発生するとは限りませんが、偽サイトへの誘導や、不正なファイル・アプリのダウンロードを促される可能性はあります。

何も入力、何もインストールしていないければ、まずページを閉じましょう。
常にOSやセキュリティソフトを最新の状態にして、心配な場合はセキュリティチェックを行っておくと安心です。

ただし、『ID・パスワードやカード番号』を入力してしまった場合は、話がさらに深刻になります。

  • カード情報を入力したなら、すぐカード会社に連絡して利用停止の手続きを。
  • パスワードを入力したなら、公式サイトからすぐに変更を。
  • 同じパスワードを他のサービスでも使い回している人は、そちらも変えておくと安心です。


不安な場合は、警察相談専用電話「#9110」や、最寄りの都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に相談できます。

もう一つ、意識しておきたいのが家族のこと。
家族の中に、SMSやネットの手続きにあまり慣れていない人がいるなら、
「怪しいSMSが来たら、まず私に見せてね」と共有しておくのも一つの対策です。

今回はAmazon・宅配便・国税庁を中心に紹介しましたが、狙われているのはこれだけではありません。
日頃よく使っているサービスほど、つい油断してしまいがちです。
アメックス・JCB・VISA・楽天カード・セゾンカードといったカード会社も、フィッシング詐欺の常連です。
また、ホームページやブログを運営している人は、サーバー会社やドメイン管理会社を装った「更新手続き」などのメールにも注意が必要です。

まとめ

フィッシング詐欺は、装っている相手は違っても、やっていることは同じです。
急かして、慌てさせて、リンクを踏ませる。逆に言えば、急かされたら疑う。
これだけ覚えておけば、かなりの部分は防げます。

届いたSMSやメールを開く前に、一呼吸置く。
その数秒が、大きな被害を防ぐ分かれ道になります。

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