【出口戦略】資産の賢い取り崩し方-前編- 増やすだけじゃない!「資産の賢い使い方」は早めに考えるほど得をする話

お金を「貯める情報」は山ほどある。でも「使う情報」は?

投資や資産形成の情報は、世の中にあふれています。

「新NISAを使い倒せ」「複利の力を活かせ」「長期・分散・積立」
こうした考え方は広く知られていて、実践している人も多いと思います。

でも、ちょっと待って!

増やした後のこと、考えていますか?

「使い方」の話になると、途端に情報が少なくなる。
実はここに、大きな落とし穴があります。

貯めることに一生懸命になるあまり、
「使うタイミングを逃し続けたまま、資産だけが残る人生」
になってしまう人は、思っているより多いのです。

今回は、30代・40代から知っておきたい 「お金の使い方」の設計について考えてみます。

「使う」を後回しにするほど、損をする理由

突然ですが、質問です。

同じ30万円の旅行、40代と70代、どちらが「より楽しめる」と思いますか?

もちろん個人差はありますが、 体力も気力も充実している40代のほうが、同じお金でも豊かな体験ができることが多いのではないでしょうか。

これは、当たり前のように聞こえて、実はとても大切な話なんです。

お金には「口座残高としての価値」と「実際に体験できる価値」の2種類あります。
銀行に100万円あっても、それを使える体力・健康・時間がなければ、
その100万円の「本当の価値」は年々下がっていく。

若いうちは収入も増えていくし、時間もある。
でも年齢を重ねると、体力という資産は確実に減り始めます。

お金は増やせても、健康や時間は取り戻せない。

だからこそ、
「いつか使おう」ではなく「いつ使うか」を若いうちから考えておくことが、実はとても重要なのです。

「4%ルール」って何?資産を減らさずに使い続ける方法

「でも、使いすぎてお金が底をつくのが怖い」

その不安、よくわかります。 だからこそ知っておいてほしいのが、「4%ルール」という考え方です。

もともとアメリカの研究から生まれた話で、シンプルに言うとこういうことです。

「資産全体の4%以内で毎年使えば、資産は30年以上もつ」

たとえば、3000万円の資産があるとします。
その4%は120万円、月にすると約10万円。
この金額を毎年取り崩していけば、資産が尽きない可能性が高い。
というのがこのルールの骨子です。

なぜ4%でも減らないの?と思いますよね。

答えは「運用しながら使うから」です。
全部を銀行に眠らせるのではなく、インデックス投資などで運用を続けながら、その一部を生活費に充てる。
長期的に見ると市場は成長するので、4%程度なら元本を大きく削らずに済む、という考え方です。

ちなみにこれは、残高の4%を毎年計算し直すのではなく、
「最初に決めた金額(この場合は年120万円)をずっと受け取り続ける」というイメージです。
年によって市場が下がっても、受け取る金額は変えない。それが前提になっています。

ひとつ注意点として、これはアメリカのデータに基づいており、 日本の税制・物価・為替リスクを考えると「そのまま使える」とは言い切れません。

ただ、「ルールを作って計画的に使う」という発想は、とても参考になります。
「何となく不安だから使えない」から卒業するための、一つの地図だと思ってください。

そして、この「地図」は早めに持っておくほど、長く活用できます。 30代・40代のうちから知っておくことで、資産形成と取り崩しを同時に設計できるようになります。

「生きたお金」を使えるのは、いつまで?

老後の支出を研究したデータによると、旅行・外食・趣味といった「楽しみのための支出」は、70代後半から急激に減る傾向があります。

理由は、体が動かなくなるから。

つまり「楽しむためにお金を使える時間」には、思っているより短い期限があります。

同じ100万円でも、

  • 元気なうちに家族と行く旅行に使う100万円
  • 動けなくなってから施設の費用に消える100万円

どちらに「生きたお金」を感じるかは、人それぞれかもしれません。

もちろん、医療や介護のための備えは必要です。 それを差し引いた上で、「体が動く今」に使う予算を意識的に確保すること。 これが、賢いお金の使い方の核心だと思います。

「使えるうちに使う選択肢がある」ことを知っておくだけで、 30代・40代のうちから「貯めながら、ちゃんと使う」バランスが自然と身についていきます。

「貯める」と「使う」を、同時に設計する時代へ

お金との付き合い方は、「貯めるフェーズ」だけで終わりではありません。
「どう使うか」まで設計して、はじめて完成する

4%ルールを一つの目安にしながら、健康で動けるうちに「生きたお金の使い方」を実践していく。
それが、資産をしっかり守りながら、人生も思いきり楽しむ。
そんな豊かな生き方につながると思います。

貯めることにはいろんな情報があります。
でも、自分らしく使うことは、自分にしかできない。
それがお金との、一番豊かな付き合い方だと思います。

「これからやりたいこと」、何かぼんやりと浮かびますか?

旅行でも、趣味でも、誰かへのプレゼントでも。 具体的じゃなくて大丈夫です。

そのぼんやりしたイメージが、これからのお金の設計のヒントになります。

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